実は、私はもともと、ギネスビールは好きだったのだけど、OTTOが好きでないと言うので、ドイツに来てからは一度ぐらいしか飲んでませんでした。
私は、ドイツに来るまでは、「とりあえずビール」的な頼み方する以外、銘柄を自分で選ぶとしたら、ギネスかサミュエルアダムス(ボストン時代にはこればっかり)がメイン。両方とも黒ビールです。
でも、日本で普通の居酒屋とかだとこの二択はほとんど出来ないので、「なんでもいいです、でも黒ビールがあるなら黒ビールで…」みたいな感じでした。
日本で飲むギネスに関しては味は把握していたのだけど、同行した友人の元ビール職人が言う通り、さすがに私が飲んだことのあるギネスと、ここ、地元アイルランド、ダブリンで飲むギネスは全然違った。別物だった。
まさに“フレッシュ”の一言。
香り高く、のどごしも最高で、下の先と中と奥で味覚が違うという話も元ビール職人に聞いて、試してみたりして、口の中がなんだか楽しい。
そして、あの美しい色。うっとりする何色とも言えない、まさにギネスカラー。
ゴールドブラックとか言うんだっけな…黄金の黒?みたいな…まさにそういう感じ。
ギネスの原料は、こだわりの井戸から汲んだ水、アイルランド産の大麦麦芽、ホップと醸造用イースト。
大麦の一部は蒸かして挽き割りとし、焦がすことで、ギネスに黒ルビーの色と特徴的な味を加えるんですって。
この博物館でこの焦がし大麦を試食した。香ばしい!そしてこの色…なるほどーという感じ。250年前にいろんな研究がされたんだろうなぁ…
味わいだけでなく、見て楽しい、香って楽しいっていうのは、ワインやウイスキーと同じだね。それらに比べたら値段は大分安いのに、こんなにお楽しみがギッシリ詰まってるなんてすごい!
その元ビール職人の友達に聞いたの、ドイツ国内に限らず、世界のビールを飲んでいると思うけど、個人的な好みありきだとしても、どこのビールが一番美味しい?って。そしたら、やっぱり、その地の地元のビールが一番美味しいって。フレッシュさに勝るものはないんだって。
まさにそれを実感しました、本当に全然違う。
醸造所で出されるビールは事細かにコントロールされて最高の状態で出されているもの。本当に本気で美味しかった。ここのギネス飲んじゃうと、日本のギネスは飲めないかも…
そしてね、今は何でも機械で出来るようになったけど、昔は何でも手作業だったことを、博物館でまた改めてその写真や映像を見て思い知らされた。
何でも手作り、何でも手作業。
私たちの今の労力の何倍も費やしてさまざまなものを残してくれた昔の人たちには、全くかないません。
こんな道具で現代人が想像したら気の遠くなるような肉体労働をせっせと。
ビールの木樽を作っている当時の職人さんの白黒の八ミリ映像が流れてたんだけど、手作業もいいところ、型もないから、樽の木を一本一本、目測で切ったり削いだりして組み合わせていくっていう信じられない神業を猛スピードでこなしてました。
日本では主婦って言う職業?立場がまだ受け入れられているけど、ドイツでは主婦なんてほとんどいないのが現実。“主婦”っていう言葉から一般的に与えられる印象はあまりドイツではプラスではないかも知れないです。日本ではお金に余裕がある家の奥さん?なんていう風に思うこともあるけど、ドイツではお金持ちでも女性もみんな仕事をしています。主婦って言う言葉は、あまりプラスに思わない人、またポジティブなイメージを与えないケースがこちらドイツでは多いと思います。
その理由にはいくつかあると思うのですが、私個人的に思うのは…
今回のギネス博物館でも思ったけど、現代、これだけ機械化が進んで、家電も素晴らしく家事も昔の人の何分の一の労力で済むようになっている。私、おばあちゃんが何かを手洗いしているのを、うっすら覚えているもん。お母さんの時代には既に洗濯機だったのかも知れないけども、おばあちゃんの時代はそれを使わずにまだ手で洗濯してた人たちがいる…
これ、想像しただけで、ぞっとする。
そういうことが機械で手早く出来るようになった現代で、主婦って言うのは、なんだか怠けてないですか?っていう印象は多少、ドイツにはあるのかも知れないです。ドイツ人はそういうものの考え方する人、多いと思います。歴史背景も戦後ってだけでなく、つい21年前のベルリンの壁崩壊まで、結構複雑だったからね…。
確かに…っていわざるを得ない着地点が常にある理論を持ってるのがドイツ人かも。理屈ぽいっていう人もいると思うけど、私は理にかなってるな、と思うことも多い、分かり易いです。
昔の人と同じ努力、労力を費やせない人は怠け者だなんて思ってないけど、日本はまだ主婦(主夫もかな)していられる人がいるだけ、恵まれた環境なのかなーという感じはあります。主婦と言っても、事情があって主婦の人もいるから、一概に言えないけど、子供がいても(いるからかな?)仕事に出るのがこちらでは普通。赤ちゃんが1歳になる前に仕事復帰するのも普通。1歳程度でどこかに預けて仕事に行くっていうのも凄いなーと思ったけど、こちらでは普通だし、子供たちもそういう環境でたくましく育って行くみたい。もちろん、政府もそれを手助けしているからこそ出来るんだと思うし、ドイツの男の人は私の知る限りでは日本人男性の何倍も当たり前のこととして家事を手伝ってくれっていうのも、一理あると思う。
どっちにしても役割分担で、バランスが取れていれば、他人にとやかく言われることもそれを気にする事もないと思うのだけど、一般的には日本の主婦な感じはドイツではありえない感覚があるかと思います。やっぱり日本と比較したら、全体的な平均値でいうと、ドイツの生活の方がかなりシビア、日本はまだぼんやりしててもやれるところがある?って印象。
でも、民主党政権下、水面下で色々動いてて、もう平和ボケしていられる時ではない、昔の人たちみたいに苦労しないといけない、苦労してもしても追いつかなくなっちゃうような生活を強いられてしまうかも知れないような状況に追い込まれそうになっちゃった時、所謂、お金持ち主婦?お昼に奥様友達とお茶してるような主婦の人たちはどうやって乗り越えて行くんだろうか?危機感なく生活出来ていることはうらやましいことでもあるけど、やっぱいざって時に人の力になれない、人と協力できない、自分のことしか考えられないっていう人は自分を戒めるためにも言うけど、現代に多いのではないかって思う。その点、ドイツは壁時代がまだ最近まであったという点に置いて、みんなしっかりしている。時々、怖いと思うずうずうしさもあるけど、ほんときっちりしてるししっかりしている。平和ボケしている暇はこの国の人たちにはなかったんだっていう事を実感します。
日本では、日本が解体されそうな状況に追い込まれていることに気付いていない人たちは、本当に、今後、大変だと思うわー
たまにHAPPYSONG@にっぽんの歌もチェックしてね。
ビール博物館にて思ったことからそれました(笑)